上手な文字の書き方について
皆さんはどうしたらもっと上手に字が書けるんだろうと思ったことはありませんか。
もしくは、この人はなんてきれいな字を書くのだろう、いいなって感じたことはありませんか。
お習字を習ったり、書道塾に通ったりしている人でも同じような悩みを持っています。
何年も勉強していながら、なかなか上達するのは難しいですよね。
書道塾の専門教授として20年教えて来て、大学の書道講師として2つの大学で17年教えて来た経験から
簡単に上達する秘訣をお伝えしたいと思います。
●まず一つ目は、文字には美しく見える形があるということを知ることです。
● 二つ目は、文字を書く練習をする時は、勉強する質を上げるということです。
● 三つめは、実際に書くときに気持ちを込めて丁寧に書くということです。
それでは解説していきます。
一つ目は、文字には美しく見える形があるということを知ることです。
中国で4000年もの歴史を育んだ漢字には、美しく見えるように、
4000年前からたくさんの美的感覚に優れた書法家の
知識と研究結果が盛り込まれています。
これらは長い時代を経て、とても美しく完成されてきました。
100年程度の浅いデザイン力で進化させようと見せる現代の書とはわけが違います。
4000年の研究結果を踏まえた究極の形と力の表現を、まず知ることから始めます。
それは古典を学ぶことです。
一つの分かりやすい例をあげましょう。
「十」という漢字があります。フォントを見ると上下左右が均等になっていて
数式のプラスとあまり違わないようになっています。
ところが、美しい形の十は、不思議なことに左が長くて右が短いのです。
そして上が長くて、下が短いのです。
これがなぜ美しく見えるかはあまりわかりませんが、美しく感じるのです
このように文字には美しく見えるように書く方法があるのです。
これを古典から学んで知ることです。
アメリカやイギリスではカリグラフィというと英語の装飾された文字をいいます。
ここにも美しく見える書き方が存在します。
これの漢字版ですね。
二つ目は、文字を書く練習をする時は、勉強する質を上げるということです。
文字を勉強するときに、時間を決めて短い時間でもいいので、効率よく勉強します。
だらだらと長い時間を使って同じことを繰り返していても、なかなか上達しません。
それよりも1日15分と決めて、その時間で頭を使って、考えながら練習します。
それを毎日繰り返すことで、効率よく上達することが出来ます。
大学で教えている時に、二人のタイからの姉妹の留学生に教えたことがあります。
もちろん、漢字や日本語はわかりません。
でもその二人の姉妹は、私のお手本と全く違わずに、毎回課題を書き上げてきました。
これには驚きましたが、この二人は優秀な頭脳と並外れた集中力を持っている事が分かりました。
通常の大学生は3か月かかってようやく、文字の書き方を理解できるようになり習得できるのに
この二人は一週間で毎回書き上げて、課題を提出していました。恐るべき才能だと感じました。
三つめは、実際に書くときに気持ちを込めて丁寧に書くということです。
文字がへたなのは、書くときに面倒なので、適当に書いてしまうということが理由です。
実際に心をこめて、へたでもいいから、ゆっくりと、丁寧に書くと、きれいに見えます。
これを現代人の忙しい私たちは、あわてて、殴り書きをするわけです。
ゆっくり、ていねいに書くだけで文字はきれいになります。
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